盛岡市を中心に岩手県の皆様の相続のお悩みを解決します。初回相談は無料です。

岩手・盛岡で遺産相続にお困りの方は当事務所までご相談下さい

運営:盛岡中央法律事務所(岩手弁護士会所属)

相続相談
初回無料

お電話でのお問い合わせ

019-604-5521

お問合せフォーム

受付時間:平日9:00-17:30
相談時間:平日9:00-17:30
夜間・土日祝日応相談

亡くなった父の財産がどのくらいかわからないのですが、遺産分割は出来ますか?

相続財産は、弁護士などの専門家も活用しながら過不足なく調査しましょう。

1 概説

相続は、被相続人の「死亡によって開始」し(民法882条)、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継」します(民法896条)。この条文からも分かるように、相続人は被相続人の「積極財産(現預金や不動産など)」だけでなく、「消極財産(借金や保証債務など)」も引き継ぐことになります。
そのため、相続調査は、積極財産の分配だけでなく、消極財産の放棄を検討する前提にもなりますが、相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」(民法915条1項)にしなければならないというシビアな時間的制約が存在します。そこで、相続調査は入念かつ迅速にすることが求められるのです。なお、相続放棄は申述期間の延長を申し出ることもできますが、この記事では割愛します。

以下では、相続調査の方法について解説します。

2 財産ごとの調査方法

⑴ はじめに


相続調査が必要となる場合として、主に遺言書や相続財産目録が作成されていないケースが想定されます。ただし、相続財産は漏れなく把握する必要がありますし、遺言書等への記載漏れもあり得ますので、仮に遺言書等がある場合でも、入念に調査することをお勧めします。
相続調査は大変な作業ではありますが、相談者様ご自身ですることも可能です。一般的に相続調査するにあたり提出を求められる機会が多い資料を参考として以下に挙げておきます。

  ①被相続人の戸籍謄本、除籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)
  ②被相続人の住民票の除票
  ③相続人の戸籍謄本
  ④相続人の印鑑証明書
  ⑤相続人の身分証明書

なお、相続手続が複数ある場合、その都度上記書類を求められる可能性がありますが、法定相続情報証明制度(*)を利用して法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることで、これらの書類の提出が不要となる場合があります。詳しくは、管轄の法務局にお問い合わせください。
*https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html
   

⑵ 預貯金


被相続人の遺品の中に、各金融機関の通帳やキャッシュカードがないか調べます。そのほか、郵便物により新たな保有口座が判明することもありますので、郵便物も忘れずにチェックしましょう。また、最近はインターネットバンキングを利用している方も増えています。可能であれば、被相続人が使用していたスマホやパソコンにログインして資産情報を確認してみましょう。
通帳やキャッシュカードが見つからない場合でも、心当たりがある金融機関に対しては窓口や電話で一度問い合わせしてみましょう。口座の有無や残高について、開示に応じてくれる場合もあります。
さらに、預貯金については、死亡時の残高だけでなく、過去数年分の取引履歴の開示も求めることができます。取引履歴から他の相続財産の存在が判明することもあるため、ぜひ取り寄せを検討しましょう。具体的な取り寄せ方法は各金融機関にご確認ください。

⑶ 不動産


被相続人の遺品の中に、権利証、登記情報通知書、固定資産税納税通知書・課税証明書、通帳からの固定資産税引落し履歴などがないか確認します。不動産の賃貸借をされている場合は、契約書を確認したり賃借人等へ問合せなどをすることが考えられます。
そのほか、名寄帳を取り寄せることも考えられます。名寄帳は、各自治体が固定資産税を課税するために作成した固定資産税課税台帳を所有者ごとにまとめたもので、特定の人が持っている不動産を一覧で確認することができます。名寄帳により非課税の不動産についても把握できる場合があります。ただし、名寄帳は各市区町村が作成しているものなので、他の市区町村に所在する不動産については記載がありません。そのため、不動産が複数存在する場合には、不動産が所在する市区町村へそれぞれ名寄帳の取得請求をする必要があります。詳しい取得方法については、各市区町村へご確認ください。

⑷ 借金や保証などの債務


借用書、郵便物、取引履歴などを確認します。税金等の公租公課の未納についても、領収書等で確認するほか、各所定機関へ直接確認することも考えられます。
借入先などが全く分からない場合は、信用情報登録機関に問合せることで借入状況を確認することも可能です。書式や必要書類など具体的な手続については、全国銀行個人信用情報センター、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)など各機関へご確認ください。

⑸ その他

株式や投資信託などの相続財産の有無を調べる場合には、取引履歴や明細書、郵便物などをご確認ください。保有に心当たりがあるが口座の開設先が全くわからない場合には、株式会社証券保管振替機構に対して開示請求を行うことも考えられます。具体的な手続については同機構へご確認ください。

3 おわりに

相続調査は、遺産分割の基礎となったり相続放棄を検討するための前提となるなどとても重要な作業ですがシビアな時間制限があります。大切な親族を失った方にとっては、故人を偲ぶ

時間もなく大きな負担に感じられるかもしれません。相続調査の負担を少しでも軽くするためにも、あるいは相続調査を漏れなくスムーズに行うためにも、相続が開始したら早めに弁護士へ相談することをお勧めします。